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経営者の直感は当たっている?

経営者の直感は当たっている?

企業の3大経営資産と言えば昔からヒト・モノ・カネと言われていますがその中でもヒトが一番重要です。

なぜなら、素晴らしいマーケティング戦略も経営戦略も技術戦略も営業計画も全てヒトが企画立案するからです。

また、自社あるいはコンサルティング会社が立案した素晴らしいマーケティング戦略も経営戦略も技術戦略も営業計画もヒトが実行しなければ何の価値もありません。

つまり、ヒトがいなければ何も企画立案できませんし、他人にしてもらってもヒトがいなければ何も起きません。ヒトが企業にとっての最大の資産であることは間違いありません。

多くの企業は少なくとも数人以上の従業員の組織で活動しているため、人材(ヒト)及び組織が企業にとっての最大で最重要の資産だと言えます。

 

前述の一般社団法人産業能率協会の調査では「人材の強化( 採用・育成・多様化への対応) 」の課題認識は多いのですが、2017年に急速に浮上したのが、「働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上」ということでした。

エンゲージメント

エンゲージメントには、様々な概念がありますが、一般的には、社員が会社や組織や仕事に抱く「愛着心」や「忠誠心」、「思い入れ」であり、個人と会社組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係という概念のことです。

 

ワークエンゲージメント

特に、ワークエンゲージメントとは、“仕事”へのエンゲージメントであるため、人が誇り高くエネルギッシュに働いて仕事から活力を得て楽しく生活できる状態を言います。

つまり人がエンゲージしている(約束している、思い入れがある)のは会社や組織ではなく仕事です。

 

チームエンゲージメント

チームエンゲージメントとは、“組織やチーム”へのエンゲージメントであるため、従業員が笑顔で誇り高くエネルギッシュに働いて仕事やチームから活力を得て楽しく生活できる人や組織の状態を言います。

つまり、人がエンゲージしている(約束している、思い入れがある)のは仕事だけではなく会社や組織に対してもエンゲージしている状態です。

これまでの定義からすれば、従業員エンゲージメントが一番誤った言葉遣いです。つまり、“従業員にエンゲージすること“はあまりないからです。

しかし、エンゲージメントについて前述したように、エンゲージメントの基本的概念としては、個人と会社組織が一体となり、“双方の成長に貢献しあう関係”のことをいいますので、従業員エンゲージメントとエンゲージメントはある程度類似した概念だと考えられます。

 

従業員満足度

従業員エンゲージメントと似ている言葉で従業員満足度があります。従業員満足度とは、給料面だけではなく福利厚生や職場環境(人的・物的両面)、仕事に対するモチベーションといった総合的な面において、会社や仕事に対する従業員の満足度のことを言います。

つまり、業績とは関係のない主観的な指標で、従業員が企業の様々な施策によって満足していれば良いのです。

もちろん不満な状況よりは良いのですが、従業員満足度が高いからと言って会社に貢献する気持ちが醸成されるわけではありませんし、業績が向上するわけではありません。

社員旅行やおしゃれな社員食堂、誕生日をみんなで祝うなどの施策によって従業員満足度は高まりますが業績への直接的な貢献は不明です。

 

経営者の直感

細かい定義はともかくとして、経営者は、従業員の働きがいや満足度、エンゲージメントが向上することが、離職率の低下やモチベーションの低下や業績の低下への予防や対抗措置として有効なのだろうと直感的に感じているのだと思います。

実際に、学術的な研究では、幸福度の高い従業員は顧客から高評価を得られる可能性が高いとし(ジェニファー・ジョージ、ケネス・ヘッテンハウセン 1988年)、幸福度の高い従業員の生産性は平均で31%、 売上は37%、創造性は3倍高く(ソーニャ・リュボミルスキー、ローラー・キング、エド・ディーナ 2005年)、幸福度が高い従業員が働いている小売店の店舗面積利益は他店より21ドル高い(ギャラップ社 2008年)と言われています。

科学的な分析では、従業員のエンゲージメントや幸福度の度合いが業績に好影響を与えていることが証明されています。

つまり、経営者の直感は正解だということです。

 

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