DXが進まない理由 連載 第4回
■DXが進まない理由シリーズ
第1回:DXのDに依存している
第2回:DXをリードしているのがIT系ではイマイチ
第3回:顧客を理解するべし
第4回:変化を嫌がる傾向
第4回は「変化を嫌がる傾向」
基本的に、人は変化が好きではないですよね。
というか日本人は変化が好きじゃないのかもです。
様々な国の文化や国民性を定量的に測定し、指数化しようとしたのがオランダの社会科学者ヘールト・ホフステッドで、彼は、米IBMの世界40カ国11万人の従業員に行動様式と価値観に関するアンケート調査を行い、 1980年に国の文化と国民性を数値で表すことのできる「ホフステッド指数」を開発しました。
ホフステッド指数は、6つの指標があるのですが、その中でも「Uncertainty avoidance index (UAI) 不確実性の回避傾向の強さ」ってのがあります。
要するに、不確実なことに対して回避する傾向がどれほどあるのか?ということですが、ギリシャが第1位でとっても不確実なことを回避する傾向があり、つまり変化(不確実なこと)を望まないと言え、ドイツが平均ぐらいで、一番回避傾向が弱いのはシンガポールです。日本は平均より上で10番目です。
やはり日本は世界的に見ても保守的だと言って良いのでしょうね。
でもでも、実は基本的に人間の体って急激な変化は好まない傾向があります。
ホメオスタシス
それは、ホメオスタシスと呼ばれるもので、生体が変化を拒み一定の状態を維持しようとする働きで「恒常性」とも呼ばれます。
周囲の気温が高くなった時に周囲の気温に合わせて体温が上がるのではなく、逆に汗をかくなどして体温を下げて体温を一定にしようとします。
コンフォートゾーン
また、「コンフォートゾーン」というのもあります。コンフォートは安心や快適なので、安心や快適な環境ということになりますが、この安心で快適な環境からはみ出したくないというのが心理的ホメオスタシスです。
確かに、そうですよね・・・。
これまでうまくいっているのであれば、そこにいるのが安心で快適なので、なかなか変わりたいくないですよね。
たとえ、外部環境が変わったとしても、自分の環境だけは変わらないと思いたいし、実際にそう思ってしまいます。
現状維持バイアス
これは、現状維持バイアスと言われ、小さな変化ならまだしも大きな変化は、この現状維持バイアスによって阻まれてしまいます。
現状維持バイアスは正常化バイアスとも言われ、過去・現在・未来が同一線上にあると考えて、現状に対する変化を拒んだり、変化の兆しがあっても自分には関係ないと受け止める傾向があるということです。
多くの人は、つまり人間というものは、変わるのが嫌なんです。
特に日本人は国民性としても変わるのが嫌なんです。
なので、デジタルトランスフォーメーションなんて、基本的にはやりたくないのです。
従来通りのビジネスモデル、ビジネスシステム、ビジネスプロセスを維持して乗り越えられるのであれば、それが最高なのです。
なので、デジタルトランスフォーメーションは諦めましょう!笑
ってわけにはいきませんよね・・・。
なぜなら、自分(自社)は、変わらなくても、他人(競合他社)が変わってしまったら、顧客を奪われるかもしれないし、市場を奪われるかもしれないので大変なことです。
解決方法は、他人(競合他社)が変わらないことを切に願う!
これはこれでアリかもしれませんが・・・、やっぱりナシですよね。
他人(競合他社)が変わることを前提にして、自分(自社)が変わることで、少なくとも現状維持ですし、もし、他人(競合他社)が変わっていなければ、言い方は好きじゃありませんが、他人(競合他社)から顧客を奪えるかもしれないし、市場を奪うことができるかもしれません。
まあ、競合がどうのこうのよりも、自社の社員や自社の顧客の満足度向上のために、トランスフォームするというのが最善かつ最高の行動だと思います。
全然別の話になりますが、僕は最近の支払い方法でPayPayを使います。
PayPayが始まった当初は、代金を払った後に、「確かに払いますよ」と示すために、店舗側にスマホの画面を逆さまにして見せていました。
最近のバージョンアップでは、払う時に自動的に画面が逆さま(反転して)になって、こっちがスマホを逆さまにしなくても店舗側の人が見やすくなりました。
多分、誰かから(顧客や店舗から)、「画面を反転した方が良い」という意見があったのだと思います。
なので、UX(ユーザー体験)を修正した。
小さなことですが、顧客のために最善を尽くして修正・転換することがやはり一番良い行動です。
Facebookも、Googleも、マイクロソフトも、アマゾンも、twitterも、Uberもサービスインした時の画面と今の画面を比べると笑えます。
https://www.gizmodo.jp/2011/09/original-twitter-homepage.html
「大きな変化」ではなく「小さな変化」を
実は、ここに変われるヒントがあります!
変化は「大きな変化」ではなく「小さな変化」を小刻みにするということです。
大きな変化は抵抗があるのですが、小さな変化であれば許容できるというのがあります。
小さく考える、小さな変化をするということは、
- 失敗のコストが少なくて済む
- 失敗しても許せる
- 失敗しても失うものがない
- 小さな目標であればやれそうな気がする
という感じになります。
以下の4つの手法で小さな変化を大きな変化に変えることができるので是非お試しください。
1. 簡単に行動できる環境をつくる
変化するための環境を作り出すことです。
2. 便乗する
なにか別の小さな変化やいつもの習慣に、本当に欲しい変化を付け加えます。
3. 心の準備をする
小さな変化によってもたらされる良いイメージも悪いイメージ予めイメージしておきます。
4. 障害物を考える
「心の準備をする」に似ていますが、小さな変化をするに際して障害となることはなにか?を予め考えておくことです。そうすることで、障害が起きた時に最善の対処ができます。
変化を許容するための手法はいくつかありますが、それはまた別の機会に!
個別に連絡を頂ければ、変わるための手法についてお伝えしますし、特に「DXをしたい!」という方であれば、セミナーも開催していますので、是非ご参加ください。
DXの失敗を回避するためにやるべきこと
■日時:
2020年 11月26日(木)15:00~16:00
2020年 12月2日(水)15:00~16:00
■場所:オンライン(zoom)
■費用:無料
■お申し込みはこちら↓↓↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/202012seminar
※このページはセミナー開催後に閉鎖します。