DXに惑わされるな! DXなんて単なるバズワードだ!
今回は、「DXに惑わされるな! DXなんて単なるバズワードだ!」というお話です。
DXの定義
まずは、DXって?という定義について
通常、英語の頭文字で短縮する場合は、単語の頭文字なので、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)は「DT」と略される気がしますが、英語圏では「Trans」を省略する際にXと表記することが多いようです。Transration、Transfer、Transactionとクロスする感じなので、「X」を使うのでしょうね。
なので、「Digital Transformation」は「DX」と表現しています。
「Digital Transformation」の二つの単語は難しい言葉ではありません。
「Digital」はそのままでデジタルですが、IT、技術、データ、インターネットと捉えてよいと思いますし、「Transformation」は、変容や変革、変化、変形、変質、変態と捉えてよいと思います。
2018年に経済産業省がまとめた「DX推進ガイドライン」には、「DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。
要するに、IT、技術、データ、インターネットを活用してビジネス(製品、サービス、ビジネスモデル、業務プロセス)を変容や変革、変化、変形、変質、変態することだと思いますが、僕は経済産業省の定義に少し違和感があります。
それは、「組織、企業文化・企業風土はビジネスなのか?」ということです。
僕自身の見解では、組織、企業文化・企業風土はビジネスではないのでは?と思っています。
ビジネスという言葉の定義は狭義・広義があり、なかなか難しいとは思いますが、概ね以下のようなものだとすると、組織、企業文化・企業風土はビジネスをするために必要な要素ですが、ビジネスそのものではない気もするのです。
- ビジネスとは、お金を何かに換えて、お金を増やす活動
- ビジネスとは、価値の交換をする活動
- 事業目的実現のために人・物・金・情報などの資源を活用して行う活動
まあ、いろいろ考えると分からなくなってしまうのですが、DXが「デジタル技術を使ってビジネスを変革する」と捉えるならば、デジタル技術を使ってビジネスを変革するような組織・企業文化・企業風土が無いと難しいと思うのです。
つまり、デジタル技術を使って組織・企業文化・企業風土を変革するのは出来ないことはないとは思いますが難しいのではないかと・・・。
なぜなら、マサチューセッツ工科大学スローンスクールのエリック・ブリニョルフソン教授は、IT投資を有効化するには組織や企業文化などに投資することが必要だと言っているので、IT投資をして組織や企業文化を変えようとしても難しい。無限ループにはまってしまう感じですかね。
つまり、デジタル技術を使ってビジネスを変革したい(DXしたい)のであれば、変革することが当たり前な企業文化・企業風土を創ることが先決なのです。
それをすっ飛ばして、DX推進室、DX検討タスクフォース、DXプロジェクトなどを立ち上げて、人工知能、ビッグデータ、IoTなどの先端技術を調査したって何も起きません。
DXをしたいのであれば、DX推進室、DX検討タスクフォース、DXプロジェクトが最初にすることは、変革することが当たり前な企業文化・企業風土を創ることです。
もっと、端的に言えば、デジタルなんて、どーでもよいのです。
デジタルなんてどーでもいい
PCが企業に本格導入され始めた1995年頃、インターネットが企業でも活用されるようになった2000年頃、Web2.0が提唱された2005年頃、常にデジタルテクノロジーは企業の傍にありましたが、それらの技術を活用して変革した企業もあれば変革しなかった企業もあります。
テクノロジーがあろうがなかろうが、変革する企業は変革するし、変革しない企業はしないのです。
テクノロジーがあることで変革が進むわけではないのです。
なので、実は、DXなんて言葉は単なるバズワードなのです。
変革を進める要因の一つは環境変化
変革を進める要因の一つに環境がありますね。
今回の新型コロナウィルス感染リスクをみるとわかります。
テレワークやリモートワークなんて言葉は、昔からあるし、その言葉の意味、テレワークやリモートワークのメリット・デメリットなど殆どの人がわかっていたことだと思います。
多分、テレワークやリモートワークがやれそうな職種や、実施すると利点もあるだろうなということもわかっていたと思います。
でも、ほとんどの企業がテレワークやリモートワークをやっていなかった。
なぜか?
変革したくなかったからです。
でも、今回で変革しました。
なぜか?
外部環境の変化がそうさせたからです。
これも昔からわかっている話です。
日本で英会話スクールに行ってもなかなか英会話が上達しなくても、思い切って海外で1年程度でも暮らせば英会話は上達します。
それは外部環境がそうさせるからです。
変革したければ、環境を変えるというのはよい手段の一つです。
これまでと異なること
ただし、1995年や2000年当時と今と異なるのは「変革スピード」と「予測困難性」です。
なんとなく感じていると思いますが、昨今のビジネス環境を見てみると
- 今年流行ったものは来年には消える
- 全く予測していなかったようなことが起きる
ということです。
つまり、変革するのが当たり前の企業文化・企業風土を作るのを大前提として、その変革を実現するためにテクノロジーをうまく活用することで、変革スピードを速くすることができるし、予測できない以上、柔軟性を持って対処することができるということです。
まとめ
- DXはビジネスを変革するような組織・企業文化・企業風土が無いと難しい
- DXしたいのであれば、変革することが当たり前な企業文化・企業風土を創ることが先決
- テクノロジーがあろうがなかろうが、変革する企業は変革するし、しない企業はしない
- 変革を実現するためにテクノロジーを活用することで、変革スピードを速くすることができる
- 変革を実現するためにテクノロジーを活用することで、予測できない状況に柔軟に対処できる
以上、「DXに惑わされるな! DXなんて単なるバズワードだ!」というお話でした。
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