社会構成主義
社会構成主義とは、社会学から生まれた概念で、私たちが「現実だ」と思っていることは全て社会的に構成されたもので、その場にいる人たちが「そうだ」と「合意」して初めて現実になるということです。
同じ事象や物事であっても、人によって解釈や立場や考え方や行動が違うというのはよくわかる話だと思います。
なぜなら、人は解釈や意味づけを自身の立場や文化などを通してでしか行えないからです。なので、起きたことが同じでも、真実がどこにあるかはその人によって違うということです。
従って、相手は、相手なりの立場や文化や背景や意味づけをしているのであり、自分とは異なる視点を持つことが大切なのです。そのように理解することが良いコミュニケーションとなるのです。
「社会に本質的で客観的な真理がある」と思いがちですが、心理学者のケネス・J・ガーゲンは、本質的で客観的な真理は人間にとっては直接観察することは不可能であり、何らかの枠組みによって観察されざるをえないもので、どのような社会的枠組みに依拠しているのかを議論すべきであるとしています。
また、社会構成主義とは一つの観察方法なのであり、社会の全てが幻想であるとか実在は存在しないといった議論ではないともしています。
ケネス・J・ガーゲンは、人々はお互いの言葉のやり取り(対話)の中で「意味」を作っていくのであり、「意味」とは話し手と聞き手の相互作用の結果であると結論づけました。
このことを指して「Words create world(言葉が世界を創る)」と表現しました。